スポーツATとDCTの比較について

スポーツATとDCTは何かと比較されることが多いですが、

私は両方のトランスミッションの車を所有したことがあるため、

個人的に感じたことを書いてみたいと思います。

ちなみにですがスポーツATの車はM340iで、DCTの車はゴルフGTI 7.5です。


M340iのトランスミッションはZF製で、スポーツATのベンチマークと言われています。

ゴルフはボルグワーナー製で、DCTの元祖です。
また、ゴルフのDCTは、DSGと呼ばれています。


M340iは2019年、ゴルフは2013年販売開始ということで、

両者の発売時期には6年程度の開きがあります。

そのため、特にDCTに関しては最新動向と少し違うかもしれませんが、
その点を踏まえて読んでいただければと思います。

あと参考までに両者のギア比です。

M340iステップ比ゴルフGTIステップ比
1速5.2502.933
2速3.3600.641.7910.61
3速2.1720.651.1250.63
4速1.7200.790.7720.69
5速1.3160.770.8100.76
6速1.0000.760.6360.79
7速0.8220.82
8速0.6400.78
最終減速比2.8131-4速:4.769
5-6速:3.444






シフトアップスピード

シフトアップスピードが最速になるのは、スポーツモードでのマニュアル変速時と思われますが、

どちらも相当速く大差ありません。と言うか、正直に言うと差がわかりません…

どちらもパドルシフトを操作した瞬間に、「バフッ」という破裂音と共に

シフトアップが完了しているようなイメージです。

シフトアップの際、加速の切れ目は感じ取ることができません。

ゴルフの当時のカタログに、変速時間は0.03~0.04秒と記載されていたので、

M340iも同程度と思われます。


もはやこれ以上の変速時間の短縮は必要ないと思えるレベルです。

ゴルフからM340iに乗り換える際、DCTのシフトアップのキレはもう味わえないのか、

と思っていた時期もありましたが、いい意味で裏切られました。


それだけ、スポーツATの技術革新が進んでいるんだと思います。

また、少し前までBMWではハイパフォーマンスモデルはDCT、一般モデルはスポーツATを

使っていましたが、現在はスポーツATに統合する流れになっています。

DCTに対してスポーツATがこれだけ遜色ないと、改めてこの方針には納得です。





シフトダウンスピード

シフトアップスピードと同様に、スポーツモードかつマニュアル変速時の比較となります。

また普段から飛ばしシフトは行わないため、1段ずつシフトダウンした際の印象です。


まず、スポーツAT、DCTどちらの場合も、シフトアップよりシフトダウンの方が

変速時間が長く感じます。

スポーツATは、長いと言っても、シフトアップよりは多少長いということで、

パドルシフト操作からシフトダウン完了までのレスポンスは速いと思います。

一方、DCTの方は変速に少し手こずっているような印象を受けます。

具体的には、今使っているギアとの接続を解除した後、一旦ニュートラル状態
のようなものがあり、その後別のギアと接続するような感じです。

このニュートラル状態のようなものは、スポーツATでは感じませんでした。

これがより顕著に感じるシーンとしては、下り坂でブレーキを使わずシフトダウン
した時です。一瞬ですが、コースティングのような状態になります。

恐らくですが、シフトアップに備えて1段高いギアを待機させているところに
シフトダウン信号が入り、待機ギアの再選択(1段高いギア → 1段低いギア)が
必要になるため、少しもたつくのかと思います。

このような理由から、シフトダウンに関してはスポーツATに分があると思われます。





発進時

こちらに関しては、両者を比べてしまうとスポーツATの圧勝です。

スポーツATはトルコンを使っているのに対して、

DCTは半クラをプログラムで制御しているので、当然の結果だと思います。

ただM340iと比較せずゴルフ単体で考えると、疑似クリープ動作もあるので、

街中で乗りにくいということは無いです。





まとめ

これまで書いたことを簡単にまとめると、以下のようなかたちです。
個人的には、発進時なめらかで、シフトアップ・シフトダウンも速いスポーツATの方が好みです。

スポーツATDCT
シフトアップスピード
シフトダウンスピード
発進時
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